戦略実行のためのメンバーの決定

★コンテンツに合わせて採用の物理的要素を決める

STEP4までで、「採用のソフト(コンテンツ)」をどのようにするかを決めました。そのコンテンツがターゲット学生に効率よく確実に伝わる「採用のハード(物理的な要素)」を決めなくてはなりません。どのナビを使うのか、どの合説に出るか、オープンセミナーはどうするか、会社説明会の会場はどこにするか、何回くらい行うか、選考の過程をどうするか、何のテストを使うか、内部メンバーと外部メンバーは誰にするのか、役割分担はどうするか、といったことが「採用のハード(物理的な要素)」です。

「これまでは、ハードを先に決めてからソフト(コンテンツ)の準備をしていた」という企業さまも多いのではないでしょうか。しかし、それではハードに合わせてコンテンツを考えることになり、無駄が多くなる上に効果が薄くなってしまいます。

「ナビの原稿の仕様が決まっているから、それに合わせて書く」のではなく、「こんなことを伝えたいから、○○(写真、動画、リンク、自由表現ページ、隠しページなど)が必要。だったら、その機能が使える△△(メディア&プラン)にしよう」というのが、費用対効果の高いメディアの選び方です。

会社説明会にしても、「会場を早めに押さえなくては」と、予算や利便性、収容人数などで検索して予約するのではなく、「採用コンセプトが『熱い会社(例)』だから、会社説明会ではその雰囲気を伝えたい。ライブハウスなんかいいんじゃないかな」というように、伝える内容によって選ぶことが大切なのです。

★メンバーの構成とコンテンツの共有

メンバーの構築の場合も、採用コンセプトとシナリオを伝えるのにふさわしい人材を選ぶ必要があります。例えば営業職を募集していて、伝える内容が「熱い会社(例)」だとしたとき、採用担当者やリクルーターがおとなしい人で、学生に静かに淡々とプレゼンしていては伝わりません。アウトソーシングの外部スタッフも同じです。学生にテレコールしてもらうときも、元気に明るくといった指示をしておく必要があります。「そこまでやる必要があるのか」と思われるかもしれませんが、効率採用のプランは完璧でも、実行するのは人。メンバー自身がプランを壊してしまっては意味がありません。もともと、コンセプトやシナリオは、求める人物像を言語化し、彼らがひきつけられるよう設定したテーマです。惹きつけるパワーを強めるためにエッジを効かせていますので、ときには「その雰囲気(例:熱い会社、元気なテレコール)は苦手」という人もいるでしょう。しかし、その人たちはターゲットではありません。万人受けするような対応は、かえってターゲットを逃がしてしまうことに。ターゲットの興味をひいて志望動機を高めて自社の強烈はファンに育てていく効率採用を実施するためには、コンセプトやシナリオにきちんと沿った活動をしていくことが大切なのです。

効率採用に当たるメンバーは、全員がSTEP1~5までの経緯とその結果を理解しておく必要があります。そのために、コンセプト、フェーズごとの目的とシナリオとキーワード、仕様メディアや必要な採用ツールを1枚のシートにまとめ、共有します。これで、いつ何を伝えればいいのかが統一化されますし、この段階の学生にはここまで伝わっている、ということが把握でき、ワンツーワンマーケティングに近い対応が可能になるのです。

採用計画シートの見本

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最後は採用ツールの準備です。