求める人物像の言語化

効率採用を実現するためには、つまり「少ないコストと労力で、入社後、確実に成果をあげる人材を採用する」ためには、求める人物像の言語化は欠かせません。効率採用の成否は、求める人物像をどれだけ言語化できるかにかかっています。

★「自社で成果をあげる人材」をどうやって言語化するか。

「求める人物像を明確にすることが大切なのは知っているけど、その方法が分からない」という方も多いのではないでしょうか。中途採用の場合は、募集職種や業務のタスクが明確なので、求める人物像は特定しやすいのですが、新卒採用の場合はポテンシャル採用と言われ、「可能性がありそうな人を採る」「適性を見て配置する」といったケースが多いので、求める人物像を特定しづらいのは当たり前なのです。また、学生は社会人経験がないため、その可能性を探ることすら難しいのが現状です。

しかし、求める人物像があいまいなままだと、無駄なコストと労力がかかってしまう上に、採用したけど使えない人材だった、ということにも…。

では、具体的にどうすればいいのでしょうか。方法は3つ。1つは、自社のハイパフォーマーに近い人材を採用して可能性を高める方法。もう1つは、経営戦略とマッチしたHRM(ヒューマン・リソース・マネジメント)の一環として新卒採用を考える方法。最後の1つは、上記2つの方法をミックスした方法です。

求める人物像の言語化・方法その1ポテンシャル(ハイパフォーマーに近い人材)採用を行う方法

  • 新卒人材が所属する部署の若手社員のハイパフォーマーを人選します。
  • 部署内の若手社員全員にテストとアンケートを実施します。人数が多い場合は、ランダムにピックアップして行ってもかまいません。
  • ハイパフォーマーとそうでない人の違いを分析し、ハイパフォーマーの「能力・行動特性」と「価値観・好み」を割り出します。
  • 3の要素を言語化します。

※テストは、行動特性や価値観(モチベーションタイプ)」が分かるものであれば、市販のものでも、自作のものでも、どちらでもかまいません。また、上司からの評価アンケートでも代用できます。
※価値観と好みは、採用広報を行う際に、ターゲットをひきつける要素(コピーやデザイン)に反映させます。
※自作のテストまたは上司からの評価を行う場合のコンピテンシー項目一覧と、アンケート項目見本をご用意しております。こらちをご覧ください。 ★採用計画策定キット

求める人物像の言語化・方法その2新卒採用をHRMの一環として捉えて緻密に計画する方法

求める人物像を言語化する前に、そもそも何のために新卒を採用するのかを考えてみましょう。

会社には必ず、売上と利益を追求するための「事業計画」があります。それは、他社との差別化を図り、競争優位に立つための計画です。そして、これらの計画を実行するのは、組織に所属する人です。したがって、事業計画を達成する組織になるために必要な「人材を採用」し、事業計画を達成する組織になるように「人材を教育」する、戦略的HRM(ヒューマン・リソース・マネジメント)が必要となります。「事業計画」は他社と差別化したものなので、100社あれば100通り。ということは、事業計画を達成する組織も100社あれば100通りです。したがって、「どんな人を採用するのか」「どんな教育をするのか」は、会社によって全く違うということになります。

事業計画を達成する組織をつくるとき、
●人を増やさないで組織づくりを達成する場合は、今いる人材を目標値にまで教育します。
※人間性を育てるのではなく(人づくり・人格形成)、業務の中で重要とされるコンピテンシーを補充・強化する。
●経験や即戦力が必要であれば中途採用で補填します。
※能力重視ではなく(能力が高いからといって高業績とは限らない)、業務の中で重要とされるコンピテンシー重視の採用。
●長期的に取り組む必要がある場合は、新卒採用を行います。
※例えば、年功序列の組織、若手社員の比率が多い組織、メンター制度など先輩が後輩を教えることで先輩が教育されるという仕組みの組織など。

したがって、新卒採用をHRMの一環として捉えた場合の求める人物像の言語化は、

  • 現状の組織の状態を組織診断ツールを使って分析。どの部署にどんな人材が所属しているのか、その中のハイパフォーマーはどんな人材なのかを研究し、マッピングします。
  • 事業計画書(中長期と年度ごと)から、それを達成できる組織のマップを作り、いつ、どのような人材が必要かを洗い出します。
  • 現状の組織と、事業計画を達成できる組織の違い(差)を明らかにし、人材マネジメント戦略(新卒採用、中途採用、教育)の計画を立てます。
  • その中で、新卒で採用する人材の要件を洗い出します。

上記の方法2の場合は、緻密な人材マネジメント計画を作成することが可能ですが、組織全体を診断するのに専門家の手を借りる必要があります。また、採用担当、教育担当だけでなく、経営陣をも巻き込む必要があり、かなり大掛かりです。

そこで、方法1と方法2の「良いとこ取り」をして、採用担当者だけで簡単にできる方法を下記に記しました。方法2ほど緻密ではありませんが、会社の将来を見越した「求める人物像」を、明確にすることができます。

求める人物像の言語化・方法その3会社の将来を見越して求める人物像を割り出す方法

  • 現在の組織図(一般的な組織図でOK)を用意し、事業計画書上、その部署がどうなっていくのかを、簡単な図にします。拡大する部署なら枠を大きくし、新規事業の計画があるなら、組織図に加えます。
  • 新卒で採用する人材が必要だと思われる部署(または、配属が決まっている部署)に色づけします。
  • その部署内の若手社員全員にテストとアンケートを実施します(方法1と同じ)。
  • 新卒採用対象部署内に所属している人員の簡略図を書き、2年後、3年後の事業計画を達成しているときの人員の簡略図を描きます。
  • 足りない人材(事業計画達成に必要な人材)の要件を洗い出します。「採用計画キット」をご利用いただくと便利です。

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求める人物像の言語化(概念図)

求める人物像が言語化できたら、次に評価方法の決定を行います。